人間が一度死んだらそれっきりだというのではなく、生まれかわりとか霊魂不滅とかいうことを信じられたら、どんなにいいだろうと私は思う。ほかの人間になってまた生まれかわるとか、たとえ天国の雲の隙間からでも、朽ち傾いたあばら家の窓ガラスごしにでも、あるいは自分が何かの虫けらになって、その虫けらの目玉を通してでも、その他どんなものに変わってもかまわないから、見ていられたらどんなにいいだろう。どんなにひどい条件をつけられてもかまわないから、わたしはその時その場にいて見ていたい。わたしたちが星に行き着くところを、わたしたちが一つまた多くの宇宙を自分のものにするところを。わたしたちが神になる時を。神なんてものの存在を、まだわたしは信じていないし、これからだって、わたしたち自身が神にならない限り、存在するはずがないと信じているけれど。
でも、わたしはすでに過去において間違いをおかしたし、今またわたしが信じていることが間違いであるのかもしれない。どうかそうであってくれ。どうかわたしの考えが間違いであるように。神よ、わたしが間違っているということを、はっきり証明してみせてくれ。
―フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』