ラベル

2012年7月25日水曜日

芸術は一台の天秤のようである。一方の皿には、いわゆる自由芸術(モニュメンタル建築、彫刻、絵画、装飾芸術、詩など)が乗り、もう一方の皿には実用性がより強く要求される芸術(都市計画、住宅、技術的発明、実用本位の芸術、ジャーナリズムなど)が乗っている。重心、つまりその時代の真の姿を反映する芸術は、社会的条件がどちら側の見方をしているかによって、一方の端からもう一方の端へと交互に移動しているのだ。ルイ14世の時代には、華麗さと光輝と王位崇拝が第一の社会的必要条件だった。このすべての条件をいかにして満たすかということは、当時盛んに論議された問題であるとともに、仕事に伴う技能を高めたり良質の自由芸術を育てるための、やりがいのある問題だった。他の時代は――今の私たちの時代もそうだが――、社会的条件が専ら実用芸術に仕事をあてがっている。そのため、私たちの時代の不朽の作品や最も特徴的な作品は、日常の実用性との深い関わりの中で生まれるのである。少なくとも実際上の内容に沿って形態(構造)が与えられる多くの仕事においては。


―アルヴァ・アアルト「1927年11月25日付ウーシ・スオミ紙」(ヨーラン・シルツ『白い机』)

2012年7月24日火曜日

最終的に、すべては次のことに帰結します。あなたには選択肢が与えられています。より正確には、それは複雑に絡まり合った選択肢です。自分の仕事に全力を打ち込こんだとしても幸せになれないか、あるいは全力を打ち込まないために幸せになれないことが約束されているか。そのふたつなのです。つまり不確実性をとるか、確実性をとるかの選択肢です。興味深いことに、不確実性を選択することは、心地よいことなのです。


—デイヴィッド・ベイルズ + テッド・オーランド『アーティストのためのハンドブック』